大好きなんだよ!!
「…お…降ろして……」
駄目元で今にも消えそうな声で頼んでみた私。
やばい…本当に気持ち悪い…
今まで自覚なかったけど、私って高所恐怖症なのかも。
「…やだ。絶対連れてく」
……離してって言ってるのに。
―…だから嫌いなんだよ、男の子なんて。
意地悪するし。
怖いし。
自分勝手だし。
本当は、どんなにかっこいい人でも私に触れてほしくない。
涙が溢れて来る。
それを堪えるために上を向いた。
――ビクッ
体が反応する。
だって顔がものすごく近くにあったから。
それだけのことで私の頭の中はパニックに。
そして「……もうやだ…」と呟いて、意識を飛ばしてしまった。
―…大嫌いなはずの男の子の腕の中で。
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