あの時とこれからの日常
「…そ、か」

どうしたものだろう

困った顔をするしるふに、

「あ、そうだ。立花先生、黒崎先生と仲いいですよね」

海斗を飲み会に連れて行くというミッションが途中だったことを思い出す

「え、あ、ああ、まあ」

「同期が、私が黒崎病院ER勤務だって知ったら、ぜひとも黒崎先生を連れてきてくれってうるさいんですよ」

で、さっきお願いしたんですけど見事に断られました

まあ、予想してましたけど

「で、黒崎先生って彼女さんいます?」

それだったらそうと言えば同期たちは静かになるかもしれない

「園ちゃんさ、」

並ぶしるふと莉彩の浮かべる表情は、同じことを言いたそうだ

「はい?」

「…本当に何も知らないんだね?」

「…はい?」

何のことでしょう

首をかしげていると六時を告げるオルゴールの音が店内に響く

「黒崎先生には、私が言っておくよ。かわいい後輩の小さなお願い位聞いてあげてくださいって」

「ちょっと、しるふ」
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