あの時とこれからの日常
海斗としるふにはもう一つ取り決めがある
取り決めというには、堅苦しいかもしれない
でも、付き合い始めて半同棲するようになったころから変わらないこと
たとえどちらが先に寝ようとしるふはベッドの右側に、海斗が左側に寝ること
部屋の中央にベッドが置いてある海斗の部屋ならまだしも
壁にくっついているしるふの部屋では、しるふが先に就寝しようものなら
海斗は暗い中しるふを踏まないようにベッドに入らなければならない
なのに、一度だって逆に寝ようとか
先に寝た方が奥に行こうとかっていう話にならないのはなぜなのだろう
脇にあるヘッドライトだけをつけて先に横になっていると
ドアの施錠を確認する音が聞こえた後、慣れたように海斗が壁側に潜り込む
その後に真っ暗になる部屋
そっと瞳を開けて暗闇を眺める
「しるふ」
呼びかけとともに背中に暖かな温もりが寄り添う
「ん」
三年付き合って呼吸もわかりすぎてしまった相方には、これだけで十分だ
「何かあったか」
「どうして」
取り決めというには、堅苦しいかもしれない
でも、付き合い始めて半同棲するようになったころから変わらないこと
たとえどちらが先に寝ようとしるふはベッドの右側に、海斗が左側に寝ること
部屋の中央にベッドが置いてある海斗の部屋ならまだしも
壁にくっついているしるふの部屋では、しるふが先に就寝しようものなら
海斗は暗い中しるふを踏まないようにベッドに入らなければならない
なのに、一度だって逆に寝ようとか
先に寝た方が奥に行こうとかっていう話にならないのはなぜなのだろう
脇にあるヘッドライトだけをつけて先に横になっていると
ドアの施錠を確認する音が聞こえた後、慣れたように海斗が壁側に潜り込む
その後に真っ暗になる部屋
そっと瞳を開けて暗闇を眺める
「しるふ」
呼びかけとともに背中に暖かな温もりが寄り添う
「ん」
三年付き合って呼吸もわかりすぎてしまった相方には、これだけで十分だ
「何かあったか」
「どうして」