あの時とこれからの日常
「2次会は立食パーティ形式でやるんでぜひ来てくださいね」

背後で園田が喜びの声を上げているのを聞きながらしるふが海斗の言葉を引き継ぐ

「このチャペルそこまで大きくなかったと思うけど、全員入るの?」

「呼ぶのは親族とERメンバーとそれぞれの友人数人だけですから」

こじんまりとした、けれど逢いたい人に逢える式にしたい

そんな二人の意向で、招待状を送ったのはほんの限られた人たちだけだ

「そう」

あなたたちらしいわね

にっこりとほほ笑んだ神宮寺が告げる

随分と二人で並ぶ姿が様になったものだ

そんなほんわかした医局の朝

鳴り響くのはスタットコールではなく、固定電話だ

「はい。黒崎病院救命救急センターです」

素早く電話を取った神宮寺の滑らかな対応

「ええ。…すみませんが、そういうご質問は対応しかねますので」

そっと告げ、神宮寺が受話器を置く

その後にふ、と放たれた吐息




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