あの時とこれからの日常
お開きになった新入社員歓迎会の後片付けは、
代表じゃんけんで負けた脳外科が責任を持って行うことになった
それ以外の部署のものは、さっさと帰路に着く
帰り際、しるふに話しかけた新入社員に、海斗が満面の笑みを向けて
「悪いけど、それ俺のだから」
なんて言ったおかげで会場内は、一時騒然とした
ああ、これで来週はER内で身を潜めていなければ、と海斗に手を引かれながらの帰り道、
ひとり空を見上げながら思った
シャワーを済ませてリビングに入るとソファで雑誌をめくっている海斗が視界に入る
その横顔はいつも通り精悍さがうかがえて、しるふはそっと息をつく
「…どうした」
隙間なく隣に座ってきたしるふを、落ち着いた漆黒の瞳が捕える
「さっきさ、女の子に絡まれてたじゃない?どちら様なのかなーと思って」
「…女の子?」
怪訝そうに眉を寄せる海斗に
ああ、ホントこの人はいろいろ無頓着だわ
と、心配が杞憂に終わったことを知る
「歓迎会の時。ショートカットの背の低いかわいらしー女の子に絡まれてたじゃない」
「…ああ、あの時」
思い出した、のか合点がいったのか、海斗が納得したような声を出す
代表じゃんけんで負けた脳外科が責任を持って行うことになった
それ以外の部署のものは、さっさと帰路に着く
帰り際、しるふに話しかけた新入社員に、海斗が満面の笑みを向けて
「悪いけど、それ俺のだから」
なんて言ったおかげで会場内は、一時騒然とした
ああ、これで来週はER内で身を潜めていなければ、と海斗に手を引かれながらの帰り道、
ひとり空を見上げながら思った
シャワーを済ませてリビングに入るとソファで雑誌をめくっている海斗が視界に入る
その横顔はいつも通り精悍さがうかがえて、しるふはそっと息をつく
「…どうした」
隙間なく隣に座ってきたしるふを、落ち着いた漆黒の瞳が捕える
「さっきさ、女の子に絡まれてたじゃない?どちら様なのかなーと思って」
「…女の子?」
怪訝そうに眉を寄せる海斗に
ああ、ホントこの人はいろいろ無頓着だわ
と、心配が杞憂に終わったことを知る
「歓迎会の時。ショートカットの背の低いかわいらしー女の子に絡まれてたじゃない」
「…ああ、あの時」
思い出した、のか合点がいったのか、海斗が納得したような声を出す