キミの空になりたい


好きな人の夢を応援したいのは誰だって同じ。


たとえ、想いは届かないとしても。



「……藤波さん?」


「……えっ?」



必死に祈っていたら、ふいに名前を呼ばれた。


この声は、もしかして……。



「わ、涌井君……?」


「まさか、こんなところで会うなんて。……何してるの?」


「え?あ、えっと……」


「……千羽鶴?」



答えに困っていると、涌井君は賽銭箱の上に置いてあった千羽鶴に気が付いて、不思議そうな顔をする。



「もしかして、野球部に?」



私はもう部活を引退している身だし、この時期に千羽鶴を必要とする試合が残っているのは野球部だけ。


涌井君がそんな質問を投げてくるのは、当たり前の事だ。


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