キミの空になりたい


「今回、自信なかったんだよねー。スコアをチェックしてたら勉強するの忘れちゃってさー」


「そっかー。もうすぐだもんね、地方大会」


「うん。1回戦で去年の県ベスト4と当たってるから、みんなとにかく気合い入りまくりだよ」



くるみはそう言って、グッとこぶしを作った。



「勝てるといいね」


「うん。汐音も応援に来てね」


「……暑くなければ」



私の言葉にくるみは苦笑した。




藤波 汐音(ふじなみ しおね)。


これが私の名前。


高校3年生で、今年は魔の受験生。


この前まで、バドミントン部に所属していたけれど、引退した。


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