キミの空になりたい
「ベンチ入りできるのは18人だから、18番まで準備するんだ。メンバー発表されてから渡すんだ」
「そうなんだ……?」
裁縫のできない私は、野球部のマネージャーではなくてよかったって、心の底から思った。
いくら部員のためのお守りとはいえ、作れるかどうか……。
「涌井君はもう背番号1だって決まってるけどね」
「え?」
くるみの口から涌井君の名が出たので、ドキッとしてしまった。
「だってうちのエースだもん」
「そ、そうなんだ……」
動揺を隠すように、平静を装う。
名前を聞いただけで、こんなにドキドキしてしまうなんて。
やっぱり、好きになっちゃったのかな……?
「それでね、千羽鶴なんだけど、コレ」
くるみが私に折り紙のセットを押し付けてきた。