甘ったるいくらいで
オカエリ
エンジンがマンションの前で止まる音で、反応する。

オカエリの音だ。



すくっとソファからたちあがると、あたしは飼い主を待つわんこのように、ドアへと掛けていく。



テーブルの上にはできたての料理。

あたしは部屋着だけど、一応軽くメイクしている。





――カン、カン、カン・・・。

ゆっくりと階段を登ってくる足音。

じれったいなぁ・・・。

あたしは耐え切れなくなって、ドアをちょこっとだけ開けた。




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