神様修行はじめます! 其の三
― ドッゴオォォ――ン!! ―


ド派手な爆発音と衝撃に襲われた。


あたしは頭から引っくり返り、そのまま床をザァァと滑る。


・・・・・・・。

な・・・な・・・??


状況変化についていけずに目を白黒させてるあたしの耳に、セバスチャンさんの声が聞こえる。


「あ、すみません。ただいま結界を解除いたしましたものですから」


薄暗い空間は完全に喪失していた。


辺りにもうもうと立ち込める濃い煙のような気の力。


端境の、あの見事に広々とした庭園の佇まいが周囲に広がっている。


どうやら小部屋ごと結界が吹っ飛んだらしい。


あ・・・解除、したの? 

お、お疲れ様でした。


できれば、その前にひと言知らせてくれたら嬉しかったけど。


術を終えた門川君が立ち上がりながらこっちを見た。


そして引っくり返ってるあたしを確認して、冷たいひと言。


「なんだ? 君、直撃を受けたのか? これぐらい避けたまえ」


・・・・・。


むっかあぁぁぁ―――――!!


あたしは腹筋を使って一気にガバッと立ち上がりながら叫ぶ。


「解除するって知ってたら、あたしもちゃんと避けれたんですけどねえぇぇ!」


「知ってたろう? 何のために髪の毛を引っこ抜かれたと思っているんだ、君は」


「だから、そーゆー事じゃなくて!」


「君以外は皆避けたぞ。まだまだ未熟だな。情けない」


あたしゃあんたのその性格が情けないわよ!!


彼を犠牲にしたくないってずっと思ってたけど!


なんか逆にあたしの方が犠牲になってない!? さっきから!


「う・・・あぁぁ~~・・・??」


ヘナヘナな声がどこからか聞こえてくる。


・・・・・しま子!? しま子の声!


渡り廊下の数メートル向こうに、やっぱり引っくり返って目を回しているしま子発見!


しま子ー! 大丈夫!?


あたしは大急ぎで駆け寄った。


よく頑張ってくれたね! しま子! えらいよ!


たとえ避けれずに吹っ飛ばされても、しま子はえらい!!
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