神様修行はじめます! 其の三
あいつらあぁぁ~!

結局のところ、また彼をいいようにダシにしてんじゃないの!


うまく丸め込んで、自分の娘と結婚させちゃおうとたくらんでるのね!?


恋も知らない未成年者を相手に、よくもまあ、そんな人権無視なマネができるもんだ!


児童相談所に通報レベルよ!


ないの!? こっちに! 子どもSOS電話相談とかって!


「あったら苦労せんわ」

「ほんっと、そっち方面の制度が遅れてるんだから!」


そう叫ぶなり、あたしは大股でズカズカと襖に向かって歩き出した。


「こりゃ小娘、どこへ行くか」

「門川君のとこっ」

「じゃから今、永久は・・・」

「だから行くのよ」


そこに乗り込んでやる!


騒ぎ起こして邪魔して、小汚い連中の権力欲を粉砕してやる!


福祉の制度がないなら、あたしが彼を救済しなきゃ。


むざむざ彼をケダモノの餌食にさせるもんかっ。


「あたしは彼を守るって誓ったんだから!」


「だから、さっきから落ち着けと言うておるに!」


襖を開けてドスドスと廊下を進むあたしの後を、絹糸としま子がアタフタと追いかけてくる。

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