神様修行はじめます! 其の三
・・・・・・

行かなければならない。


あたし達は雛型の元へ行かなければならないんだ。


なんとしてでも。


「行くぞ。絹糸、天内君、しま子、凍雨君。僕に付いて来てくれるか?」


「もちろん一緒だよ。門川君!」


あたしは微笑み、彼と視線を合わせる。


彼は生真面目な顔であたしを見返して・・・ふと、その目元が優しく緩んだ。


「頼む。・・・僕と君は、なんといっても無敵だからな」


うん。そばに居れば、無敵、・・・ね。

あたしはニコリと笑った。


「ぼ、ぼくも当然行きます! 微力ながら全身全霊で皆さんをお守りするんです!」


凍雨君がグィッと片手を上げて、力一杯に宣言する。


「我も行かねばなるまい。・・・いや、我こそが行かねばならぬ」


絹糸が神妙な面持ちで呟いた。


「千年にも渡る、これぞ因果じゃ。片をつけねばな」


「では皆、行こう。後のことは・・・・・」

「お待ち下さい当主様」


門川君の言葉を毅然とした声が遮った。


「私もご同行いたします」


塔子さん・・・?


あたし達は塔子さんの姿を怪訝な顔で見た。

いや、だって塔子さん、あなたは・・・


「もう体力が尽きてるんでしょ?」


「余計な心配しないで。この程度で尽きるような底の浅い女じゃないわ」


「だが塔子殿、父上や一族が心配では?」


「いえ、当主様。私はあなた様をお守り申し上げます」


塔子さんは門川君の問いに、はっきりと答えた。


「亡きお母上に変わり、この身に変えても私がお守り致します。当主様」

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