神様修行はじめます! 其の三
あたしがこれだけ頼み込んでも開けてくれなかったクセに。


絹糸のツルのひと声で一発御開帳かい。


・・・なんか、ムカつくなぁ。

あたしってハッキリ格下に見られてるよね?


開いた門の向こうに絹糸がチョコンと座っている。


その姿に向かって平伏しているコマ犬ブラザーズを、あたしは恨めしく睨みつけた。


あんまりあたしをバカにすると、その自慢のムク毛、一本残らずバリカンで毛刈りしちゃうからね。


それで防寒着作ってやる。


「こりゃ小娘。阿吽を見とらんで、はよう入らんか」

「あ、はーい」


ま、今回は見逃してやるか。ふふんっだ。


あたしはいそいそと正門を通って門川敷地内に入った。


すぐそこでしま子が、嬉しそうな満面の笑顔と声で、あたしを出迎えてくれる。


「うああ! うあ~~!」

「ただいま! しま子~!」


あたしも笑顔で駆け寄った。

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