Loneliness
「あ? 何だ? 1人だけ残ったぞ?」
「あいつ、仲間 見捨てて逃げやがったぞ。」
男達が、口々に僕とリューを嘲笑う。
僕は静かに、父さんから教えて貰った
体術の構えを取った。
男達が殆ど出稼ぎに行ってしまう この村は、
万が一の時には女が力を合わせて
守らなければ ならない。
けれど母さんは足が悪いから、
「いざとなったら
お前が母さんを守るんだぞ。」
と叩き込まれたものだ。
僕の構えを見て、
唯の子供ではないと解ったのか、
男達の笑みが消える。
「そうか。
痛め付けてやる必要が在りそうだな。」
その言葉に、ぞくっと する。
冷や汗が背中を流れる。
体術を教わりは したけれど、
実際に使うのは これが初めてだ。
「行け、野郎共!!」
怒鳴り声と共に、
5人の男達が飛び掛かって来る。
1人目が伸ばした腕を横に かわし、
2人目の拳を両腕をクロスして受け止める。
3人目の蹴りを後退して避け、
4人目のナイフを屈んで かわす。
――出来る。
教わった通りに躰が動く。
男達の動きが見える。
そう思った瞬間。
5人目が、僕の右横を擦り抜けた。