Loneliness
☆
ふっと目を開けると、
いつも通り日が昇る前だった。
むくりと起き上がり、寝惚けた頭のまま、
水汲みに行こうと外へ出ると、
丁度 父さんが水の入った桶を持って
帰って来た所だった。
首が隠れるくらいの長さの漆黒の髪、
僕と同じ銀の瞳。
久し振りに見る姿だった。
「あれ、父さん、帰って来てたの?」
「おお、お早う、テューロ。
昨夜 遅くにな。
いつも こんな早くに起きるのか?」
父さんが桶を地面に置くのを見ながら、
僕は大きな欠伸を した。
「うん。水汲みは僕の仕事だから。」
「そうか。もう少し寝てても良いぞ。
今日は誕生日だろう?」
父さんの言葉に、漸く頭が覚醒して来る。
誕生日。
ああ、すっかり忘れていた。
村の外に働きに行っている父さんは
滅多に帰って来ないけれど、
母さんと僕の誕生日、それと お正月には
必ず休みを貰って帰って来る。
今年も忘れずに帰って来てくれたんだ。
「良いよ。2度寝したら お昼に起きそうだし。」
元々 僕は早起きは得意じゃない。
父さんの言葉に甘えて寝てしまったら、
折角の誕生日を寝て過ごす事に なりそうだ。