Loneliness
突然の事に、俺は為す術無く、
唯 顔を真っ赤に する事しか
出来なかった。
刹那は、男の尊厳を、
思いっ切り握って
昨日と同じように独房を飛び出した。
日里と瞬が華奢な彼女の背中を
追い掛けていくのを
目の端に捉えながら、
俺は床の一点を見つめ、
小さく喘いでいた。
突然の事に呆然と する。
まさか あんな反撃を喰らうなんて、
予想だにしていなかった。
けれど、好都合だ。
今の出来事で、
刹那は俺の提案を呑むだろう。
どうやら俺の事を
嫌っているようだから、
早く情報を引き出して、
殺してしまいたいと思った筈だ。
口の端に、
小さく笑みが浮かぶ。
本音を言うと、
まだ死にたくない。
思いがけず、
涙が一筋、床に落ちた。