Loneliness
次いで、胸の奥底から
湧き上がって来たのは、
驚いた事に怒りだった。
似ている、一緒だと思ったのに。
やはり俺と彼女は違う。
どの道を選んでも
死しか無い俺と違い、
刹那は これから先の人生で、
自分で選択し生きると言う事が
可能だ。
そんな彼女に俺が抱いたのは、
嫉妬だった。
「それとも、
お前は男を誑かすだけの女か?
頭の回転が遅い馬鹿な女なのか?」
刹那を見ていると、
自分の弱い部分が
晒け出されているようで。
彼女は違う。
俺のようには ならないで欲しい。
そんな自分勝手な気持ちが、
頭を擡げる。
彼女には、
自由に なって欲しい。
根拠なんて無いけれど、
何故か そう思うんだ。
俺の言葉を聞いた刹那の瞳に、
怒りが宿る。
「ほんっと、あんたって最低っ!!」
「なっ……!」