サイコーに不機嫌なお姫様。



「なお……キスだけたくさんしていい?」



なおは綺麗な目で俺を見つめて頷く。



舌を出して、なおの唇を舐めてそのままゆっくり入れていく……



なおはキスをしている時が一番幸せそうな顔をする。



俺も……幸せになれるんだよ。舌を絡ませる音が部屋中に響いて、思わず手が胸元に触れようとした瞬間……



ピンポ一一一一一一ン


……あ



「忘れてたっ! 相馬たちが来るって言ってた!!」


「ええ! 何しに!?」


「な、なんか渡したいものがあるからって……あみちゃんと二人で訪ねてきていいかって」



二人の間に冷たい空気が流れる。



「渡したいものって絶対にお祝いだよ!! どーするの!?」


「なおの親には連絡したの?」


「まだ! 私は今から実家に電話をかけるから、とりあえず鍵を開けて相馬たちに説明して!」



とんだ騒ぎになってしまった俺たちの妊娠騒動。



案の定、相馬夫婦からはマタニティードレスと癒し効果のあるアロマ。



そしてなおの両親はすでにベビーベッドにおもちゃ、おむつ一式まで揃えている始末……。





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