サイコーに不機嫌なお姫様。



「ツッチー! 朝からゴロゴロしてんじゃないよ。うっとぉしぃー!!」



見た目とかなりギャップがある俺の彼女。



堂園なお(19)。
一人暮らしの俺の部屋にやってきたと思ったら、第一声がこの言葉。



「……なおちゃん、もう少し優しく起こせないの? 一応彼氏なんだけど?」



俺、土屋直哉(19)。
あだ名がツッチーだからって彼女にもそう呼ばれている。そんな彼女にベタぼれですよ。



だって……



「私に今さら言葉使いを直せとか言うほうがおかしいんだよ」


「だーかーら!」



腕を掴んで、ベッドに無理やり引き込んで体を拘束。



「きゃあ! もうヤメてって!!」



焦ってる、焦ってる。



この戸惑ってる顔を見てる瞬間がやたらテンションがあがる。



「みんなの前ではいつものなおでいいけど、俺の前では違う一面も見せてって言ってるじゃん?」


「分かったから! エロいんだよ! ツッチーはぁ!!」


「そのツッチーもやめて下の名前で呼べよ。友達に呼ばれてるみたいで嫌だ」


「あんたの下の名前ってなんだっけ?」



…………………………。



はい。もう俺の中の意地悪スイッチがONになりましたよ。





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