サイコーに不機嫌なお姫様。



なんだかんだ言っても俺に押し倒されて腕を拘束されると観念しておとなしくなる。



きれいな顔に唇を近付けた瞬間……先に目を閉じるなお。



わ……かわいいな……思わず軽いキスから深いキスに切り替えてしまう俺。



最近はおとなしくキスを受け入れてくれるようになった彼女。



だけど最初のキスは本当に大変だった。


――――……‥‥



「なおちゃんにとって初めての彼氏は俺!?」


「うん」


「じゃ、ファーストキスも俺? マジで嬉しい!!」


「……彼氏だからってキスするとは限らないし」



は?



「いや、彼氏の特権でしょ? 彼氏以外の誰とするんだよ!?」


「うるさいなぁ。私そんな話、嫌いなんだよ!」



いや、俺は大好きだ!ていうか一大事だ!!



最初からキス禁止令が出るなんてどうにか回避しないと!!最初が肝心。



「なお……」



初めて“ちゃん”を外して呼んでみた。



「何よ?」



ちっ!予想どおり何の反応もねーし!!



男女問わず友達が多い彼女は、男に呼び捨てで呼ばれることに違和感、ドキドキ感はなかったらしい。





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