サイコーに不機嫌なお姫様。
繁華街から近い。小さな庭付きの一軒家。ここが二人の住居。
「お邪魔しまーす」
アロマの香りのする部屋。奥さんはセラピストって言ってたっけ?
「雅紀くんの友達が来るの初めてだね!」
「あれ? そうなの?」
「うん。本当はこの家は男が入るの禁止なんだよ。あみがいいって言ってるから土屋はいいよ」
「それはどうも」
バカップルってわけじゃないようだ。過保護じゃなくて、本当に相馬は奥さんを心配してのことなんだろうな。
あみちゃんは麦茶を出してくれて、台所で料理を作り始めた。相馬と二人でソファーでくつろぐ。
「まさか堂園さんが土屋と付き合うなんて夢にも思わなかったよ」
「なんで?」
「想像つかない」
「ま、俺も初めて付き合うタイプなんだよね。気が強いからキスまで持っていくのが大変だったんだから!」
「ぷ……それ、ちょっと聞きたいかも」
「あのね……」
「雅紀くん! 好奇心でそんなこと聞いちゃダメだよ!」
あみちゃんにバッサリ言われて話題、終了。