サイコーに不機嫌なお姫様。



旅行出発日。


なおの意味不明な言葉をやっと理解できたのは、相馬の新車の後部座席に乗り込んだ瞬間。



「あれ? あみちゃんが運転するの?」


「うん! 私、一度運転したことある道だから大丈夫だよ」



すると助手席に座っている相馬が振り向いて一言。



「後ろもき、ち、ん、と! シートベルトしててね?」



笑顔の中にかなりひきったものを感じるのは俺だけでしょうか?



「じゃ! 出発しちゃいまーす」



…………………………。
動かない車。



「……あみ、サイドブレーキ」


「あ! そっか! 私いつも忘れちゃう。えへ」



お……おいおい。あみちゃんの運転大丈夫かよ?



「ツッチー……はい」



隣のなおからペットボトルのお茶と酔い止めの薬を手渡された。



薬が嫌いな俺は、飲むのは拒否っていたけど……



「きゃあああ!! 障害物!! どうすればいいの!?」


「とりあえずブレーキ! 対向車が来なかったら右ウインカー出して追い越して」



ええ。もうここはありがたく……



「サンキュー……」



おとなしく飲んだ。着いてから具合悪いとか最悪だ。よく新車を運転させるよなー。やっぱ相馬は優しい。


「きゃあ! 待って待って! 後ろの車からあおられてるんだけどっ」



俺たちは地獄だけど一一一一!!!!





< 89 / 202 >

この作品をシェア

pagetop