サイコーに不機嫌なお姫様。



「なんか悩み事?」



勘のいい相馬は俺の表情が変わったことを見抜いて聞いてくる。



「いや……大丈夫」



何か理由があるんだと思いたい。今のところは大丈夫……多分。



「土屋くんはもっと自信もっていいよ! なおが選んだ彼氏だもん。本当に好きじゃないと付き合わない子だよ?」


「……うん」



あみちゃんの言葉に少し元気をもらった。



「あみちゃんはなおのことよく分かってるね」


「小学校からの親友だもん」


「なおが女でよかった! 男だったらあみちゃんと付き合ってそう……」


「あ、それ俺も考えたことある」



男二人してバカな妄想しているとあみちゃんが笑いだす。



「それはない! たとえなおが男だとしても大切な男友達だと思う。私は雅紀くんしかいないもん」


「あみ、かわいいこと言うね」



……………………。



や、やっぱバカップルだ。お邪魔なようなので帰ろう。



「おいしかったよ。ご馳走様」


「今度はなおと二人で来てね!!」



玄関先で見送る二人に手をふった。



「ありがとう。またな!」



俺もなおと二人であんな幸せな家庭を築くまで付き合ってられるかな?



なお……夕方まで長い。早く会いてぇ。





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