羅刹の刃《Laminas Daemoniorum》



「“レイジ”の中に眠る血が覚醒したことが、“あちら側”に知れたとなれば……彼らも、“レイジ”を人間側に置いておこうという気を変えるかもしれないな」

「昨夜と同じことを、何度も言わせないでください。
たとえ彼が鬼の子であろうと、彼は人として生きようとしています。
その意見をも無視して彼を殺そうというのなら、その時は私が守る、と」


 鬼門の氷のような瞳に、ぼう、と真紅の焔が宿る。

 彼らはなんの話をしているのか。

 それは今から数時間前の夜中に遡る。











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