ナツ恋。
重いキャリーを引きずって、やっとのことでたどり着いた祖父母の家。
和風家屋で、なかなか大きいと思う。
「夏香ちゃん!」
ふと、私を呼ぶ声が聞こえた。
振り向くと畑仕事をしていたのか、土を払いながら走ってくる人。
おばあちゃん…!
「夏香ちゃんでしょ、まー大きくなって」
「おばあちゃん、久しぶり」
「元気にしとった?ほんまに大変やったねぇ…。暑かったでしょう?さぁお入り」
あぁいいなぁ、あったかいなぁ。
私、歓迎されてる。