ナツ恋。
「そんな顔しないで、もう4年も前のことだよ」
私が戸惑ってるのを見て、シュウは優しい笑みを向けてくれた。
「ほら、バス来たよ。帰ろうか」
「うん」
シュウは優しい。
初めて会ったときから、シュウは優しかった。
きっとそれは彼の穏やかな性格のせいであって、長所なんだけど…。
たまに、何を考えているのかわからないなって思うことがある。
その優しい笑顔の奥で、何を思ってるのだろう。
さっきも笑顔で誤魔化してた。
でも、これ以上は詮索できない…しちゃいけない。
私たちはまだそこまで聞けるほど親密な仲じゃないから。