ナツ恋。



「そんな顔しないで、もう4年も前のことだよ」



私が戸惑ってるのを見て、シュウは優しい笑みを向けてくれた。



「ほら、バス来たよ。帰ろうか」

「うん」



シュウは優しい。



初めて会ったときから、シュウは優しかった。



きっとそれは彼の穏やかな性格のせいであって、長所なんだけど…。



たまに、何を考えているのかわからないなって思うことがある。



その優しい笑顔の奥で、何を思ってるのだろう。



さっきも笑顔で誤魔化してた。



でも、これ以上は詮索できない…しちゃいけない。



私たちはまだそこまで聞けるほど親密な仲じゃないから。





< 40 / 47 >

この作品をシェア

pagetop