涙のみちしるべ

喜びでいっぱいのあたしたちは、手を繋いで教室へと向かった。

2年1組の前に着いてから瑠璃の手を離して、ドアの前で2人して深呼吸し、

教室へと入った。

2人で黒板に貼ってある席順を見た。

「となりは、、、えっと、、、亜璃!?」

「瑠璃!?」

あたしたちは席まで一緒だった。

あたしたちは爆笑した。

「まさか席まで亜璃と一緒だとは、思わなかった。」

「あたしも。ありえない。」

席に着くともう1度2人で笑いあった。

「キーンコーンカーンコーン」

チャイムと同時に担任が入ってきた。

今年の2年1組の担任は、小林麗佳先生だった。

小林先生は今年来たばかりの新任で、小顔でスタイルが良く、色白で美脚。

男子にも女子にも好かれるタイプだろう。

「ねぇ、亜璃。見て、山田!先生の虜になってる。ウケるんだけど!」

「ほんとだ。目がトロンとしてる。おもしろいね。」

いちばん前にいる山田は小林先生に夢中だった。

きっと今の山田の頭の中は小林先生しかないだろう。

想像するだけで笑えてくる。

1人で笑っていると、瑠璃が

「なに笑ってんの?ほら、トイレ行こう!」

「えっ、、、HRは?」

「もう終わったよ。」

「うそ!マジで!?」

「うん。ほらほら早く行こ!」

いつの間に終わってたんだろう?そんなことを考えながらトイレを済ませ教室に戻った。

教室に戻ると小林先生が女子生徒と話していた。

どうやら雑誌の話らしい。

席に着くと、瑠璃が小さなメモを渡してきた。

見てみると、杉浦君カッコよくない?

と小さく書いてあった。

どの子?

とその渡されたメモに書き、瑠璃に回した。

すると、10秒もしないうちにメモが回ってきた。

ウチらの席の前の子だよ。

と書いてあった。気になったあたしは前の杉浦君を見た。

確かにカッコよくて、チャラ系よりさわやか系だった。

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