学校一のモテ男といきなり同居
「郁実なのっ!?」



思わず、そう口に出していた。



そうであって欲しいっていう思いが、言葉になっただけなんだけど。



強い力で抱きしめられて振りむくこともできないし、この状況では、郁実かどうかの確認もできない。




「うん……」




小さく、掠れた低い声が聞こえる。




「ホントに……郁実なの?」



「ああ……」



あたしのうしろ髪に顔を埋め、くぐもった声が聞こえる。



正直、郁実なのかよくわからない……。



だけどストーカーなら、もっと凶暴なはず。



「怖かったよ……郁実っ……」



震えるあたしを、ギュッと抱きしめてくるその腕は、



ずっと欲しかった温もり。











「もう、大丈夫だよ……」



そう呟くと、郁実があたしの首にフウッと生暖かい息を吹きかけた。



そして、うしろから抱きしめた状態のまま、熱い舌を這わせてくる。



全身が、ゾクゾクっと震えた。



「んんっ……やっ……。郁実、やめて…」



いつストーカーが現れるかわからないのに、なにしてるの!?


こんなことをしてくる郁実から逃れたいのに、首筋が気になって、なんだか体に力が入らない。


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