学校一のモテ男といきなり同居
こんな……ことって。



あたしが行かなきゃ、誰が郁実を助けるの?



「行かせないよ…真央ちゃんは、僕のモノだ」



ストーカーがあたしにしがみついてくる。



だけどもう恐怖よりも、



郁実を思う気持ちの方が、勝っていた。



「離せ……」



「かわいい真央ちゃんに、そんな乱暴な話し方は似合わないよ……」



全身の力を振りしぼり、あたしはめちゃくちゃに体を動かして暴れた。



「この手を離して、すぐにどけって言ってんのよーっ!!この、クソジジイっ!!

郁実になにかあったら、あんたも同じ目に遭わせてやる!!」



さっき家の前で出したときみたいに、自分でも驚くぐらいの声を張り上げた。



ストーカーがビクついたその隙に、急いで立ちあがって逃げだす。









だけどすぐに、腕を掴まれ、



ものすごい力で、床に投げだされた。



「きゃっ!!」



とっさに手をついたけど、床に頭をぶつけてしまい、



その衝撃で、一瞬意識が飛びそうになる。



うっ……。



今、自分とストーカーがどの位置関係にいるのか、よくわからない。



逃げたいのに、その気力すら、あたしにはもう残っていなかった。



気ばっかり強くても、力じゃ男の人に敵わない。



悔しい……。



あたしがもっと強かったら……こんなストーカーなんかに、負けないのに……。



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