学校一のモテ男といきなり同居
――トントン。



部屋の扉がノックされる。




「俺。入っていー?」




さっき部屋に戻ったところなのに、どうしたのかな。




扉を開けると、郁実が部屋の中に入ってくる。




「荷物整理してたら、こんなのが出てきたから」




そう言って、あたしに赤い冊子を差し出す。




……何かな?




手に取り、開けてみる。




するとそこには、大きめの学ランを着て、あどけない顔で映っている男の子の写真がたくさん挟まっていた。



もしかして……



郁実?








「これって……」



「俺の中学んときの写真。俺の歴史を知ってもらうのに、良くね?」



「歴史って~……これっていつの写真なの?」



「これが中1のとき。で、これが中3で」



年代は飛び飛びだけど、色んな郁実が1冊の中におさまっていた。



どの郁実も、たくさんの友達に囲まれて映っていて楽しそう。



「制服、大きいよね…」



「すぐデカくなるからって、ウチの親2サイズ上買うんだぜ?ありえねー。結局途中で引っ越したから、結局ブカブカのままだったし」



「アハハ、そうなんだ~。でもこのアルバム、どうしたの?自分で作ったの?」



「いや、前の学校の女友達に写真色々貸してたの忘れてて、ついこの間送ってきたんだけどアルバムにしてくれてた……ん、なんだよその顔」



いつの間にか、しかめっ面になってたみたい。



だって、ただの女友達に写真貸したりしないよね?



きっとそれって、郁実の元カノだ。


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