学校一のモテ男といきなり同居
「また……時間見つけて、こっちに戻ってくるから。寂しかったら、このアルバム見て俺のこと思いだして」



「そんな……」



「真央との思い出は、俺の胸ん中に刻みこまれてるから。俺は大丈夫だけど……真央は、それでも不安?

真央が不安だと、俺も安心してあっちに行けないな」



そう言われてしまうと、もう何も言えなくなってしまう。



あたしだって、郁実との思い出はこれ以上ないってぐらい胸の中に残ってる。



忘れるわけないし、



郁実を信じて、待ってればいいんだよね……。



もう、これ以上郁実を困らせたくない。



フルフルと首を横に振った。









「大丈夫…郁実は、また新しい環境で頑張らなきゃいけないもんね。そう思ったら、あたしより数倍大変。

英語だって、苦手なのに…」



「そーなんだよ、それが問題だな。ま、なんとかなるって思うしかないな」




明るく笑う郁実を見ていると、



なんだか力をもらえるような気がした。



環境が変わることに人一倍敏感な郁実が、その不安をあたしの前では出さない。



あたしももっと、強くならなくちゃね。



郁実がいない生活は辛いけど、郁実だってきっと同じはず。



そして、きっと、



あたしよりもっと……過酷。



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