学校一のモテ男といきなり同居
「あれ、真央……?」




ハッと我に返る。




「はいっ、あたしです」




「へ?なんだよ、その返事。今どこにいるかって聞いてんの。相変わらずボーッとしてんな」




ヘラッと笑う顔が目に浮かぶ。




「ボーッとしてて悪かったわね!どうせあたしは…」




「席見たらいねーから、心配した。誰かにさらわれてない?」




サラッと言うから、ドキッとしちゃう。




「なわけないし!売店に行こうと思って」




「そっか。今からちょっとだけなら会えそーなんだけど…どーする?」




えええええっ!!




「会いたいっ、どこに行けばいい!?」




まさか友ちゃんが言ってるみたいに、ホントに会えるなんて。




今までこんなことなかったから、嬉しすぎる。









「人目につかないところ…ねーな、ハハッ」




「自分で言ってツッコんでるし」




「変装していくから、待ち合わせしよ。ゲートの入り口付近なんてどう?」




ライブの真っ最中で、ゲート付近にいるのは係員ぐらいだと思う。




結構、穴場かも…。




「うん、わかった。すぐに行くね」



「おう」




電話を切り、ゲートへと向かう。




気持ちが、高まる。




郁実に会うのは、一ヶ月ぶりなの。




また、カッコよくなってるんだろーな…。



< 916 / 978 >

この作品をシェア

pagetop