嘘の誓いとLOVE RING
「少しも…気が付かなかった」
まさか、そんな想像などした事はなかったのだ。
いつだって、圭祐は私に無関心だったのに。
「美亜は、小さい頃から親父さんに連れられて、よく遊びに来てたろ?最初は、鬱陶しい女の子ってだけだったんだ」
「うん…」
「だけど、美亜が高校生になった頃から、意識する様になったんだ。だんだん女らしくなってくる美亜に…」
圭祐は、恥ずかしそうに笑った。
「勝ち気で、それなのにどこか抜けていて、危なげなくて。そして、いつだって一生懸命で。そんな美亜が好きだった。だけど、それは一生隠しておくつもりだったんだ」
「どうして?」
こんな風に話してくれなければ、本当に気が付かなかったところだ。
「それは…。いろいろ理由があるんだけど」
途端に言いにくそうに、言葉がしどろもどろになっている。
圭祐なりの事情があるのか。
だけどそれ以上は、突っ込んで聞く事が出来ない。
理由こそ話してくれなかったけれど、圭祐は話を続けた。
「美亜が兄貴と幸せなら、隠し通すつもりだったんだ。でも、今の美亜を見ていたら、言わずにはいられなかった」