嘘の誓いとLOVE RING


どうして、それを知っているのか。

もはや、目を合わせる事すら出来ないでいると、凌祐は優しく言った。

「責めてるんじゃないよ。調べている内に分かって、それから美亜を使わせてもらった」

「それは、どういう意味なの?」

すると、凌祐は一呼吸置いたのだった。

「唯香の話、聞いたんじゃないか。そう、例えばお腹の子供の相手は俺だとか?」

「な、何でそれを!?」

動揺して声が上ずる。

すると、凌祐は小さく笑った。

「やっぱり。だいたい分かってはいたんだ。美亜が唯香の近況を聞いてきた時に。いろいろ、吹き込まれたろ?」

「う、うん…」

なぜ、そんな事を凌祐が知っているのか。

頭が混乱状態だ。

すると、今度は凌祐が頭を下げたのだった。

「本当にごめんな。その話は全部ウソなんだ。全部、俺と唯香と圭祐で仕組んだ芝居だったんだよ」

「芝居!?」

何がどうなっているのか全く分からない。

「あいつにわざと嘘の情報を流して、美亜の耳に入れさせるよう仕向けたんだけど、まさかここまで上手くいくとは思わなかったんだよな…」

放心状態の私に、凌祐は気まずそうに言ったのだった。

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