嘘の誓いとLOVE RING
凌祐が、そこまで仕組んでやりたかった事は、敦貴が本当に情報を盗もうとしているのか、そして、誰が関わっているのかを知る事だった。
「お陰で、怪しい人物の目星はついたよ。やっぱり、そこまで内部にはいなかったって事だ。美亜から聞かなければ、機密情報を掴めなかったんだからな」
「もう、その話はやめてよ。自分の口の軽さに、嫌気がさしているんだから」
ため息ばかりが漏れる私に、凌祐は苦笑いした。
そして、ジャケットを羽織ると、玄関に向かったのだった。
「どこへ行くの?」
「ちょっと、敦貴クンにお灸をすえにね」
「それなら、私も行く!」
そう言うと、凌祐は驚いた顔を向けた。
「だけど、美亜…」
「いいの。返したい物があるから」
そして、急いでチェストから指輪を持って来た。
ずっと返しそびれていた指輪。
返すには、ちょうどいいタイミングだ。