嘘の誓いとLOVE RING
いい加減諦めろ…?
そう。諦めなければいけないのだ。
凌祐との結婚は、もう逃れられないのだから。
10歳年上の幼なじみ、浅井凌祐。
家が隣同士で、お父さん同士が友達。
その理由から、小さな頃から交流はあったけれど、年の差もあり仲良くはなかった。
会えば憎まれ口ばかりで。
だから、そんな凌祐との結婚話は寝耳に水で、戸惑うばかりだった。
「いいじゃないか。凌祐くんほどの男前も、なかなかいないぞ」
結婚話に反対する私に、お父さんが言った言葉だ。
確かに、凌祐はカッコイイ。
185センチもあるの長身で、スポーツ全般が得意なだけあって、肩幅が広く筋肉で締まっている。
少し垂れ気味で綺麗な二重の目元は、キリリと上がった眉のお陰で、甘さと辛さを備えたルックスになっていた。
それに加えて低くて落ち着いた声は、うっとりする…。
じゃない!
そうではない。
確かにカッコイイけれど、それと恋愛感情は別だ。
ましてや、結婚相手にしたい条件では、決してないのだから。