嘘の誓いとLOVE RING


体を求められたって、それじゃあ二人には肉体関係があるという事?

その事実は、受け入れるにはあまりショックが大きく、放心状態になってしまった。

圭祐は、二人を怪しいと言っていたけれど、それは本当だったのだ。

もしかすると何か、心当たりがあるのかもしれない。

だから、圭祐は二人に探りを入れようなどと、私に言ってきたのではないか。

そんな風に思ってしまう。

「どうしようもないもの。私は、秘書として社長の側にいられるだけで充分。それにね、今度出張があるの。その日に約束をしてるんだ」

「約束?」

「うん。毎回、二人で夜こっそり行っていた場所。星が見える場所でね。今回は、奥様も同行されると思うけれど、少しだけ時間を貰う約束をしているから」

凌祐と佐倉さんには、私にはない二人だけの思い出があるのだと、思い知らされてしまった。

そしてそれを、私の目を盗んでまた味わおうとしているだなんて。

結局、私はお飾りの妻でしかないのだ。

凌祐の心は私に無い。

それは分かりきっていたのに、どうしてだろう。

こんなにショックを受けているのは…。

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