なにやってんの私【幸せになることが最高の復讐】
360度回ってみた。その場で。
がしかし、冬山君それらしき人はどこにも見当たらない。
たいして広くもないパーティー会場の見知らぬ場所にポツンといるこの不安感。
しかしそこは無駄に年だけくってるので、おどおどするという選択肢は省くことができるようになっていて、
...仕方ないよね? 何も言わずにあの食事テーブルに行っちゃっていいよね? だって、見当たらないもん。この人混みの中に入って行って探すのもね。
こうなるわけだ。
というわけで、華やか、きらびやかな人混みを抜けて、目的地へ到着すると、少しばかりほっとして、目の前に並べられているチーズが気になり始める。
高カロリーな食べ物は避けているけど、あー、もうあれですよ、今日はいいか。よし、いいことにしよう、そうしよう。と、自分で自分を最大限に甘やかし、誘惑の固まりに手を伸ばす。
「っんー...さすがチーズ。美味しい。このチーズ美味しい」
ひさしぶりのチーズは胃に重たいけど、あの鼻に抜ける独特の香りが気持ちいい。
止まらないよねー。
味わいつつも、パクパクいっちゃう。
チーズのとなりのクラッカーにはさすがに手をつけず、ドライフルーツ、ナッツ、チョコレート...犯罪級に誘惑してくる悪いやつら。
よし、仕方ない。今日は負けてやろう。
と、自分に負けて落ちる私。
「チーズにはこちらのお飲み物がよく合いますよ」
ベストタイミングで目の前に現れた、輝く細身のグラスの中でパチパチ踊っている黄金色の液体。
「ありがとうございます」
丁度飲みたかったんですよね。と、心で言って口をつける。
「やっぱいーね。その飲みっぷり」