なにやってんの私【幸せになることが最高の復讐】

「...ってことがあったんです。だからなんか応援したくなっちゃって」

「へー、そんなことがあったんだ。上手くいくといいな。冬山がお前から店長に狙いを変えたのは、俺にしてみたら嬉しいことだけどね。まあ、どっちでも負ける気はしないけど。店長もそのうち折れそうな気がするけどな」

「相変わらず強きなんですね萩原さん。でも、うん、そうだといいんだけど。冬山君は私とどうこうなろうとかそんな気持ちは無かったと思いますよ。店長はかなり強気ですからちょっとどうなるか心配ですが」

「そのくらい気が強くないとあのグループで店長は務まらないだろうしな」

 グループ会社なのも知ってるんだ。萩原さんは自分でいくつか会社を持っているところまでは分かった。でもこの分だとまだ何かある。だって、うちの会社のことで私が言っていないことだって知ってるんだから。


 スタジオでのやりとりをこうやって一緒にお風呂に入りながら話してる。

 萩原さんに寄っ掛かるかたちでバスタブに二人で入り、時おり首筋や耳にキスをしながら私の髪の毛を洗ってくれる。

 物足りなくなって、振り返って彼の上に乗るかたちで抱きついてキスをして、でも体はお湯に浸かっていて、温かいし暑くてフワフワした気持ちになる。でも身体は敏感に硬くなって、

「あ、そうだ、萩原さん、明日って何か用事あります?」

「もう1回キスしたら教えてあげる」

 そんなことばに惑わされて、自分からもっと強く抱きついて、そしたら、もっと、もっと、もっと強く抱き締め返されて、

「特に無いけど。どこ行きたいの?」

「マスターのとこ」

「どうして?」

「今日の店長と冬山君のことを見てたら、私もちゃんとお礼言っておこうと思って」

「本当にそれだけ?」

「あ、分かりました? 実はこの前のパーティーでね、萩原さんに言われたことと全く同じことを言われたんですよ」

「同じこと?」

「思い出さなくていいから全部忘れて最初からやればって」

「ああ」

「だから、行きたいんです」

 本当は何があったか聞けたら一番いいんだけど、時間とともにその気持ちも薄れてきていて、だからお礼だけでもと思ってる。

「分かった、じゃ明日仕事帰りにでもよってみるか」と言いながら私はお姫様抱っこで持ち上げられて、バスタブから出される。

「もう限界。このままここでしたい」と、出しっぱなしにしてあったシャワーの湯気で温められたバスルームの壁に両手をついてと命じられ、言われた通りにしてしまう。恥ずかしいけど嫌じゃないから。

 うなじから首筋、背中、背骨に沿ってゆったりとキスをされるとぞくぞくして、内腿を指先で撫でられ、知らないうちに足を開かされる。

 腰をぐっとつかまれて、身体に力が入って息を飲むけど、声はシャワーの音にかき消され、頭から振ってくるシャワーを身体に感じ、全身が塗れ、打ち付けられるリズムと快感に身を委ね続けた。

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