なにやってんの私【幸せになることが最高の復讐】
まだ14時だ。
スタジオでうだうだしているわけには行かない。こんなことで貴重な一日を潰されてなるものか。
おかげさまで気分もすっきりしたし、新年早々出だしは悪いけどはっきりしに家に戻ろう。
「おし」
おっさんみたいな掛け声をかけて気合いを入れ、薄く化粧をして綺麗にした(自分なりの)身だしなみで、スタジオを後にした。
自宅前には変な緊張感が漂っていた。
そして私の目線は玄関のところに釘付けになる。
「そこまでやることある?」
ぼそっと言ったひとことは誰にも聞かれずにアスファルトに吸収された。
玄関前の植木の横に大きめのボストンバッグが一つ。そこにはメモが一枚、ガムテープでぺったり留めてあった。
『これ、お前の荷物。あとは送るから家決まったらメールして』
同棲3年にして、それなりにいろいろあったけど、その度に話し合って歩み寄って譲歩し合って解決してきた(はず)なのに、一体なんなのこの仕打ち。
「一体私の何がいけなかったの? 何をしたって言うわけ?」
思い返してみても、ここまでされる覚えが見当たらない。
いやいやいやいやいや、待て待て待て!
このままバッグ持って、『はい、そうですか。今までお世話になりました。それではこれで失礼して...』なんて引き下がれるほど弱い女じゃない。
ふざけんじゃないよ。これはあまりにもひどいよ。