なにやってんの私【幸せになることが最高の復讐】

 家のカギをぎゅっと握り閉め、鍵穴に思い切りぶっさして音を立てて回した。

 以前は二重ロックだったうちのカギも、派手に喧嘩をしたおかげで一つ壊れている。嬉しいことにドアはすんなりと開いた。

 部屋の中は暗く、玄関には思った通り、知らない人のブーツがはじっこに置いてある。しかもその横には私の靴が置いてあるってのに、上がり込んだ女も女だ。ダブルで信じられない。


 2DKの狭いアパートに個人情報保護なんてもんは無い。


 寝室の戸、いや襖(ふすま)に手をかけて、いつもだったらゆっくりそーっと開けるんだけど、今日はこれ以上大きな音が立てられない! というくらい豪快に開け放してやった。

 おわ! っと一瞬で起き上がったかつての私の彼氏と、それにびっくりして起き上がったバーにいた女性。


 私と真はしばらく睨み合う。


「お前、何やってんだよ」


 まさか来るとは思っていなかったのか、いや、3年も一緒にいてこいつは私の一体どこを見ていたんだろうか?

 私の性格やなんかをぜんっぜん見ていなかったってことか? こんなことをしても私なら問題ないって思ってたってこと? 


 ......それって反対に私にも言えることかもしれないけど。


「どういうことこれ」

「なんでお前は...荷物は外に...」

「そんなこと聞いてるんじゃないの! なんでここに知らない女性がいるわけ?」

「お前とはもう...お、終わってんだろう」


 やっぱそういうふうに言ってたんだ? 

 なんか...なんだか...もう...


「真、私昨日までここにいましたよね? つい一昨日、ヤリましたよね? それに、もう終わってるならなんでこの家には私の荷物がこんなにあるわけ?」

 私は真の隣で布団で身体を隠して固まる女子を視界の片隅に置きながら言った。


 目は真を捉えたままで。



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