なにやってんの私【幸せになることが最高の復讐】

 そんなときはいつもの癖であれをやるしかない。あれをやると落ち着けるし、頭の中空っぽになって新しい考えが湧くときがある。

 まぶたを閉じて鼻から大きく深呼吸。

 空気を吸い込む時は、頭のてっぺんに大きな穴が空いていて、宇宙に無限に広がっている100%のエネルギーが流れ星のようにさらさらと自分の中に、頭の先からつま先まで流れ込んでくるイメージ。

 鼻から吐き出す時は今まで体の中に蓄積していた嫌な気持ちや不安恐れ、悩みなど、抱えているもの全てを吐き出して地面に流すイメージ。


 自分の中が新しいエネルギーに変わるのを自分自身の心で感じるまで何回も繰り返す。



 目を開けた。

 気分はだいぶすっきりしている。

 自分の呼吸は、自分を落ち着かせるには一番の薬になる。



「よし。やるか」


 今後の私のやるべきリスト、『TO DO リスト』を作成するべく、スタジオの床に紙を広げてペンのキャップを外した。



 1、復讐に出る
 2、すっきり忘れてさっさと次の人を見つけ、幸せになること。
 3、なんとか家に戻ってやり直す

 3は消えた。これはもう無理だ。
 2は...たぶん大人な女子だったらこれだろう。でも私は......。
 1は...たぶん私が今一番に望むのがこれだ。でもやめろと言ってる自分もいて、心ではそんなことしちゃダメだって分かってる。でも...。


 どうやって?


 この場合、2を決行して幸せになってやるのが一番の復讐になる。

 でも幸せになるには相手が必要だ。

 今の私に相手はいない。唯一残されているのはヨガくらいしかない。

 新年早々、一人でスタジオの床で復讐のシナリオを紙に書き起こしている私は、なんて惨めなんだろうか。







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