究極的な愛の形


「良かったぁ……。てっきり、不安にさせたのかと、思って」


「……。不安もあったのかもしれない」


「私が首を吊って来なきゃなりませんねっ」


「行かなくていいからっ。――全部、僕の独りよがりだった」


自分以外に大切なモノがある彼女へ対しての不安。――僕は彼女以外に大切なモノなどないというのに。


「僕から離れていく君の背中を引き止めたくなったんだ……。君だけを見ていたい、君も僕だけを見ていてほしい。

ごめん、病的な愛で。ごめんよ、重い愛で。ごめんね、鬱陶しい愛で。

でも、――君だって、僕をこんなに求めてくれているじゃないか。分かっているから、無理矢理にでも、傍にいさせたかった」


< 14 / 16 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop