究極的な愛の形
「良かったぁ……。てっきり、不安にさせたのかと、思って」
「……。不安もあったのかもしれない」
「私が首を吊って来なきゃなりませんねっ」
「行かなくていいからっ。――全部、僕の独りよがりだった」
自分以外に大切なモノがある彼女へ対しての不安。――僕は彼女以外に大切なモノなどないというのに。
「僕から離れていく君の背中を引き止めたくなったんだ……。君だけを見ていたい、君も僕だけを見ていてほしい。
ごめん、病的な愛で。ごめんよ、重い愛で。ごめんね、鬱陶しい愛で。
でも、――君だって、僕をこんなに求めてくれているじゃないか。分かっているから、無理矢理にでも、傍にいさせたかった」