究極的な愛の形


――


下半身の生ぬるさ。上半身とて生暖かく、寝汗が酷い。


「……、ん」


寝起き特有の声を漏らしただけなのに、艶やかさが付属される声色。


「な、に……」


脳内処理に時間がかかる。天井を見、そうして次は体を起こそうとするが出来なかった。


生きながらにして、心臓が止まる気分。


「ああ、おはよう」


そう、にっこりと言い、自身の下半身に顔を埋めさせる彼を見てしまえば、悲鳴をあげる。


逃げるのは当たり前だが、両足は股を開かせる彼の手に掴まれ、手首には手錠がかけられていた。


ベッドヘッド(柵)に鎖を通され、輪が手首に。半ば万歳の無防備な姿勢であり、彼女は自身が服を着ていないことに、ようやっと気付いた。


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