究極的な愛の形


恋人ならば当たり前の行為。愛情表現の真髄であり、彼とは幾度となくこういった行為はしたものの。


「や、やめっ……やめてください!」


羞恥心と恐怖。
愛液にまみれた唇を朗らかに緩ませる彼は、異常にしか思えない。


「どうして、気持ち良かっただろう――と言っても、寝ていちゃ分からないか」


舌鼓を打つように、唇を舐める彼。上体をあげたかと思えば、彼女に覆い被さるように、ベッドへと両手をつく。


「ほんと、君は可愛いよ」


軋むマットレス。シーツにシワが出来た音も聞き取れた。


「寝てるのに、意識がないのに、僕が抱き締めただけで嬉しそうに身を捩るんだ。首筋を舐めれば、胸を、腕を、鼻筋を、色んな場所を舐めて、そうして触れて、いつも以上に僕が愛してみれば、君は“応えてくれた”。

鈴鳥の囀ずりのように。僕の手と舌に、いちいち反応しちゃってさ。やっぱり君は、僕を心の底から愛しているんだと、嬉しくて」


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