狡猾な王子様
ディナーの仕込みをする英二さんを横目に、私と瑠花さんはすっかり話し込んでしまった。
私よりもひとつ年下の彼女は、とても優しい人柄だというのがすぐにわかってしまう程、穏やかな雰囲気を纏っている。
木漏れ日亭で会う女性は英二さんを目当てにしている人が多いからなのか、さっきの女性客たちや佐武さんのような人も多くて……。
正直、辟易することも少なくはなかった。
だから、瑠花さんはお客さんではないにせよ、ここで彼女のような女性に出会えたことが本当に嬉しかった。
「あの、私、そろそろ帰りますね」
話が弾む中、不意に瑠花さんが腕時計に視線を落としたあとで遠慮がちに切り出した。
「もう帰るの?久しぶりに会えたんだから、もっとゆっくりして行けばいいのに」
「そうしたいのは山々なんですけど、今日は久しぶりに理人さんが早く帰れるみたいなんです。だから、夕食はちょっとご馳走にしようかと思って」
名残惜しげな英二さんに反し、瑠花さんが満面の笑みを浮かべた。
私よりもひとつ年下の彼女は、とても優しい人柄だというのがすぐにわかってしまう程、穏やかな雰囲気を纏っている。
木漏れ日亭で会う女性は英二さんを目当てにしている人が多いからなのか、さっきの女性客たちや佐武さんのような人も多くて……。
正直、辟易することも少なくはなかった。
だから、瑠花さんはお客さんではないにせよ、ここで彼女のような女性に出会えたことが本当に嬉しかった。
「あの、私、そろそろ帰りますね」
話が弾む中、不意に瑠花さんが腕時計に視線を落としたあとで遠慮がちに切り出した。
「もう帰るの?久しぶりに会えたんだから、もっとゆっくりして行けばいいのに」
「そうしたいのは山々なんですけど、今日は久しぶりに理人さんが早く帰れるみたいなんです。だから、夕食はちょっとご馳走にしようかと思って」
名残惜しげな英二さんに反し、瑠花さんが満面の笑みを浮かべた。