狡猾な王子様
家族揃っての、朝食。
いつもと変わらない風景だけど、今日はとても幸せだ。
元の体重から考えれば、決してダイエットに成功したわけではないけど……。
少なくとも、二ヶ月以上もダイエットが続いたのも、誰かに『痩せた』と言って貰えたことも、初めてなのだ。
それが本当に嬉しくて、いつもならついもう一切れサンドイッチに手を伸ばしてしまうところだけど、今日は少しでもカロリーの低いトマトサラダをお代わりすることにした。
食べることに変わりはないけど、こうした意識が持てるようになったことも私にとっては大きな進歩。
「ふう」
「なに?」
「俺、明日は早番だから、今日は夕飯の前に歩きに行くぞ」
「うん、わかった。いつも付き合ってくれてありがとう」
「ん」
短く答えた秋ちゃんは、三切れ目のサンドイッチに手を伸ばした。
いつもなら羨ましくなるところだけど、今はいつもよりも美味しく感じるホットミルクでちゃんと満足できた──。
いつもと変わらない風景だけど、今日はとても幸せだ。
元の体重から考えれば、決してダイエットに成功したわけではないけど……。
少なくとも、二ヶ月以上もダイエットが続いたのも、誰かに『痩せた』と言って貰えたことも、初めてなのだ。
それが本当に嬉しくて、いつもならついもう一切れサンドイッチに手を伸ばしてしまうところだけど、今日は少しでもカロリーの低いトマトサラダをお代わりすることにした。
食べることに変わりはないけど、こうした意識が持てるようになったことも私にとっては大きな進歩。
「ふう」
「なに?」
「俺、明日は早番だから、今日は夕飯の前に歩きに行くぞ」
「うん、わかった。いつも付き合ってくれてありがとう」
「ん」
短く答えた秋ちゃんは、三切れ目のサンドイッチに手を伸ばした。
いつもなら羨ましくなるところだけど、今はいつもよりも美味しく感じるホットミルクでちゃんと満足できた──。