狡猾な王子様
午前中の畑仕事を済ませ、昼食のあとすぐに三軒の配達先を廻って、お父さんの知り合いの居酒屋に行った。
「こんにちはー!山野農園でーす!」
「おっ、ふうちゃん!今日も元気だねぇ!」
「おじさんもいつもお元気ですね」
「酒に強いのと健康なことだけが、俺の取り柄だからねぇ!」
胸をドンと叩いて豪快に笑うおじさんの声は、相変わらずよく響く。
「なにもそんな自慢げに言う程のことじゃないよ!」
その声は裏まで筒抜けだったらしく、奥から出て来たおばさんが呆れたように言った。
「なんだよ、お前はまた……」
不満げなおじさんを余所に、おばさんはニッコリと笑う。
「ふうちゃん、こんにちは」
「あ、こんにちは」
「いつも悪いわね、うちの人の相手して貰っちゃって。適当にあしらっていいからね」
「いえ。おじさんの話、すごく楽しいですから」
仲睦まじく見えるふたりにフフッと笑うと、おばさんは私の顔をじっと見つめた。
「こんにちはー!山野農園でーす!」
「おっ、ふうちゃん!今日も元気だねぇ!」
「おじさんもいつもお元気ですね」
「酒に強いのと健康なことだけが、俺の取り柄だからねぇ!」
胸をドンと叩いて豪快に笑うおじさんの声は、相変わらずよく響く。
「なにもそんな自慢げに言う程のことじゃないよ!」
その声は裏まで筒抜けだったらしく、奥から出て来たおばさんが呆れたように言った。
「なんだよ、お前はまた……」
不満げなおじさんを余所に、おばさんはニッコリと笑う。
「ふうちゃん、こんにちは」
「あ、こんにちは」
「いつも悪いわね、うちの人の相手して貰っちゃって。適当にあしらっていいからね」
「いえ。おじさんの話、すごく楽しいですから」
仲睦まじく見えるふたりにフフッと笑うと、おばさんは私の顔をじっと見つめた。