溺愛協奏曲
車を走らせ着いた先は繁華街から少し離れたビル街




駐車場に付き車から降りるとビルの前には数人の組員さんらしき人が見えた





「「「「「おつかれさまっす」」」」」




「来てるか・・・・?」



「はい!ずっと上でお待ちですが・・・・」



困惑気味の組員さんが言葉を濁す



それに気付いた龍斗さんは組員さんに目を向けた



「なにかあったか・・・?」




「東條組の若が突然来て事務所で手がつけらんない位大暴れしまして・・・


俺の女はどこにやったって大騒ぎで、自分の女を返さなければ


お嬢を海に沈めるだのなんだのと・・・・若!いったい何が



あったんすか?俺らはなにがなにやらさっぱり・・・・」



「すまない・・・話はあとだ、蓮は事務所か?」



「いえ、応接室にいます」



「莉子ちゃん行くよ」




「・・・・は、はい」



龍斗さんに手を引かれエレベーターに乗り着いた先は36階



エレベーターを降りると大関組の大きな看板が目に入ってくる



「このフロア全部がうちの事務所、っていうよりこの55階建のビル

全部がうちの組のもんだけどね」



驚愕するとはまさにこのこと



驚きを隠せないあたしをよそに龍斗さんはなんの迷いもなく事務所へと入っていく



どうしよう・・・・蓮になんて言おう



俯いて色々考えているとなにやら遠くから大きな声が聞こえてきた



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