溺愛協奏曲
第11章
蓮のお母さん、今は亡き東條薫さんは蓮が生まれるとすぐ病気で



亡くなったらしい、だから蓮にとっては写真の中のお母さんしか知らないみたい




その後、寂しさを埋めるかのように再婚した蓮のお父さん




まだ幼い蓮の為にもお母さんを作ってやりたかったってのが理由らしいけど




皮肉にもこの再婚から蓮の女嫌いが始まる原因になってしまったとか




東條組といえば関東ナンバーワンの座を誇る極道




恐れおののくか媚を売ってくるか二通りの人間に分かれるという




だから、東條組の姐さんという肩書欲しさにすり寄る女は数知れず




加えて蓮のお父さんもこれ又、すこぶるイケメンでモテたらしい




再婚した女の人の離婚理由は一人ひとり色々あるが最大の原因は





;  蓮が懐いてくれない  ;  だったとか・・・・




「自分に愛情をもって接してくれて俺のことを本当に思ってくれるやつなんて

一人もいなかった、馬鹿おんなばっかりだ」




帰りの車の中で吐き捨てるように言う蓮




握りこぶしにぎゅっと力を込めると車窓を黙って見つめている




そんな女ばっかりじゃないよ



そんな思いも込めて蓮の手をそっと握った




驚いたような蓮がにっこり微笑んで頭を撫でてくれた





























































< 96 / 423 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop